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2.スルーホール修理

5.1めっきスルーホールのリペア(内層接続がない場合)

概要

本手順は、内層接続のない、損傷したスルーホールのリペアについて記述する。ホール損傷を修理するためにアイレット(はとめ)を使用し、このアイレットのフランジ部がプリント回路基板表面にあるパッドに置き換わる。

スキルレベル

中級

適合性レベル

  • ※ 各手順の実施に必要な推奨スキルレベルを、指標として記載している。エキスパート > 上級 > 中級
  • ※ 適合性レベルは、各手順の処置が問題なく完成した際に、その製品がもとの製品要件に到達する適合度を示している。
    高 > 中 > 低

許容基準の参照文献

工具および材料

アイレット

あらゆる導体パターンに適合するよう、錫めっきが施された銅箔。裏面にはドライエポキシが添付されている。

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前提条件

この手順は、内層接続がない両面および多層基板において、スルーホール(貫通)接続を修復する場合に限り適用する。内装接続がある場合は、適切な手順、「5.3めっきスルーホールのリペア(内層接続がある場合)」等を参照すること。

修理手順

下記表は横にスクロールできます。
STEP1 対象箇所を清掃する。
STEP2 アイレットの選定基準に基づいて、アイレットを選定する。ピンゲージおよびキャリパーを使用して、既存のめっきホールの寸法を測定する。
STEP3 適切なボールミルを手持ち式ドリルに挿入する。対象箇所のめっきをすべて除去しながらホールをドリルする。ドリル加工のホールは、アイレットO.D(外径)よりも、0.025mm-0.125mm大きいこと。
STEP4 対象箇所を清掃する。
STEP5 パッドまたは導体に、少量の液体フラックスを塗布し、予備はんだを施す。対象箇所を清掃する。
STEP6 ホールにアイレットを挿入する。新しい導体はドリル加工したホール内へと拡張され、アイレットのフランジにより所定の位置に固定される(図1)。アイレットは、いずれの面からでも挿入してよい。
STEP7 適切な取り付け工具を選定し、アイレットプレス機に挿入する。(図2)
STEP8 プリント回路基板を裏返して、下側の取り付け工具にアイレットフランジを置く。
STEP9 強い圧力を均等に加え、アイレットのバレル(ホール内壁)を形成する。 (図3)

※注意※
アイレットのフランジの損傷をIPC-A-610「電子組立品の許容基準」を参照し、検査する。

STEP10 必要に応じて、少量の液体フラックスを塗布し、プリント回路基板表面上のパッドへアイレットフランジをはんだ付けする。対象箇所を清掃し、アイレットフランジおよびランド周辺における、良好なはんだフローおよびぬれを検査する。
下記図は横にスクロールできます。
 
損傷したスルーホール
図1
アイレットフランジが新しい導体を固定する
図2
アイレットプレスを使用してセットする
図3
リペアの完了

検査上の注意点

  1. パッド径と内径の寸法が要求通りであるか目視検査する
  2. 電気的導通の測定
  3. 基板に損傷がない
  4. 導体に損傷がない
  5. アイレットに損傷がない

アイレットの選定基準 

【FD:フランジ径】
隣接するパッドや導体と干渉しない程度に小さいこと
【ID:内径】
部品リード径+0.075mm~0.5mm
【LUF:フランジ下長さ】
基板厚+0.630mm~0.890mm
【OD:外径】
力を入れずにホールに挿入できる程度
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